10/7(土) 秩父・トークイベント&サイン会付き上映会 実施レポート
岡田麿里監督の故郷である埼玉県・秩父にて、岡田麿里(脚本・監督)、平松禎史(副監督)、石井百合子(キャラクターデザイン)、東地和生(美術監督)が集結!武甲山の麓にあるユナイテッド・シネマ ウニクス秩父にて、トークイベントとサイン会を10月7日(土)に実施いたしました!
トークイベントでは、冒頭、MCから観客への質問タイムがあり、中には、10回以上作品を鑑賞したという人もいることが判明、登壇したメインスタッフ4名も感謝の気持ちがいっぱいな、温かなトークイベントになりました。
トークイベントでは、ご来場のお客様と一緒に記念撮影を。
左から、東地和生(美術監督)、石井百合子(キャラクターデザイン)、岡田麿里(脚本・監督)、平松禎史(副監督)。
本編上映後に実施されたトークイベントの最初の質問で、「秩父に来たのはいつ以来か?」と問われた岡田麿里監督は、「セメント工場を取材した時、以来でしょうか。そのあとは…今年、お祭りにみんなで行きましたね。」と話し、平松禎史副監督は、「今日、移動の途中で、秩父にいつ来ていたかなと写真を見直していたら、2019年7月の写真がありました。空が曇っていてて、そういえば、武甲山を観たことが無かったなあと思い、今日「これが武甲山か」と、遂に見ることができました。」と、振り返りました。
晴天下の武甲山の前で記念撮影@ユナイテッド・シネマ ウニクス秩父
『お祭りシーンの屋台囃子は「秩父音頭」のアレンジですか』という質問に、岡田は、「そうなんです。祭囃子と花火について調べていて、秩父の他にも色々なお囃子の音を聞いたのですが、秩父の祭囃子が一番しっくりきて。ペースが速いので、カーチェイスに合うなと思い、カーチェイスのシーンを盛り上げるために使いました。やはり自分は秩父人で、秩父は大きいお祭りが多く、胃にドンドンくる感じというか、嫌が応にも高ぶる感じがありました。」と、秩父人であることを由来したエピソードを明かしました。
メインスタッフ4名が揃ってトークイベントを実施するのはこれが初!
『舞台になった街は実際にある街ですか?モチーフや参考にされた場所があったら教えて欲しい』という質問には、美術監督の東地和生が回答。
「モチーフにした所は、日本全国そこらじゅうにあります。舞台は架空と言えば架空ですが、探す楽しみがなくなってしまうかもしれないけれど、少し明かすと‥池島に行きました。閉じ込めれている話ならば、島がいいのではないかと、3日間くらい取材しましたが、その風景ももちろん入っています。あとは、釜石に行きました。一人で、昔、製鉄所があったところを歩いて距離感をつかんだりしたけれど、撤去されて何も残っていないんですよね。でも想像しながらが楽しい、というか、想像のほうがいいものが描けると思うんです。今回、(その時の)写真のレイアウトも一切使っていないので、同じアングルで同じ画は一枚も撮れないはずです。Xを見ていると、皆さん、色々と探してくださっているんですが、まだ出ていない場所がありますので、それは(探す)楽しみにしてください(笑)」と、鑑賞後の楽しみもしっかり残しつつ、制作秘話を明かしてくれました。
美術監督の東地和生(左)とキャラクターデザインの石井百合子(右)
『特に“ここが好き”というシーンやキャラクターについて教えてほしい』という質問が出ると、平松禎史副監督は、「どこも思い入れがあるので、一つに絞るのが難しいですよね(笑)(作品の為に作った見伏の)地図とにらめっこして想像して作っていたのですが、海沿いの町がああいう感じであることとか、山がこちらに見えているから今このキャラクターはここにいる、といった具合に意識して作れたこと、キャラクターが生きている場所を作れている、ということが今回面白くて好きだったことですね」と、制作過程を振り返りました。
岡田麿里監督(左)と平松禎史副監督(右)
『今回、キャラクターをデザインするにあたり、岡⽥監督とはどんな お話をされたのですか』という質問に、キャラクターデザインの石井百合子は、「まずは、最初の元々の小説を読ませてもらったときに、落書きで、「睦実や五実はこんな感じでしょうか?」と送りました。その上で、岡田さんもひらめいたものがあって、危うい綺麗さがあるものがいいよね、などと話したり、原宿の人形が売っている店に二人で見に行ったりしました。空気感は、人形が展示されている店でも響くものを感じたのですが、人形として描くわけにはいかないので、睦実や五実は自分からでてきたものだったのですが、正宗やそれ以降のキャラクターは、実在した人達の映画や写真を見たりして、ああしようこうしようと、岡田さんと常にディスカッションしていました。生っぽさみたいなのは、そういうやりとりからも生まれたのではないでしょうか。」と、岡田監督との密なディスカッションが交わされていたことを明かしました。
キャラクターデザインの石井百合子(左)と岡田麿里監督(右)
当日、ステージの上には、この日初公開された、石井と東地が描いた最新のビジュアルのパネルが設置されていました。6週連続入場者プレゼントのラストを飾るプレゼントに使用されるこのビジュアルについて聞かれたキャラクターデザインの石井百合子は、「このイラストを描くにあたって、シナリオにラスト、みんなを描いた絵があるスケッチブックというト書きだったり、コンテの中に、五実が列車の先頭で手を振っている絵があったので、自分が一番見たい、みんなが一緒にいて一番いい笑顔を描きたいということで、是非書かせてほしいと(このイラストを)描きました。」とイラストに込めた思いを明かしました。
その言葉を受け美術監督の東地和生は、「平松さんがすべてのエピソードを全部絵コンテに起こして、それを一度繋げた時に、2時間20分以上あったんです。そこから今の作品になっているので、零れ落ちたエピソードがいっぱいあるけれど、そこかしこに削いだエピソードの残り香もあると思います。“何か詰まっている”ことを感じていただける作品になっていると思います。自分たちでもわからないくらいの熱量が詰まっています。」と本作に関わった全てのスタッフの思いを代弁しました。
キャラクターデザインの石井百合子と美術監督の東地和生、渾身の書き下ろしイラスト。
サイン入りのパネルは、ユナイテッド・シネマ ウニクス秩父にて本作上映期間中に掲出予定。
最後に、岡田麿里監督から、「メインスタッフと一緒にこのような形で話す機会はなかったのですが、仕事場では、いつもこんな風に和やかだったり、そうではなかったり(笑)。熱のある旅の仲間です。いいチームでやることができたこの作品を、何回も観ていただいて有難うございます。(ご鑑賞いただいた)皆さまのおかげで、作品が色づいているなと思っています。」と挨拶、トークイベントは盛大な拍手の元、笑顔いっぱいで終了しました。
その後、劇場ロビーに場所を移して、トークイベントに登壇したメインスタッフによるサイン会も実施されました。それぞれサインをしながら、笑顔で観客と会話するなど交流をし、長蛇の列ができ1時間を超えるサイン会となりました。
サインに応じるメインキャスト4名